「新しい生活様式」という言葉が注目急上昇ワードですよね。
その中においてはライブやコンサートは厳しいなと。
そして、合奏、というものも厳しいんだなと思っています。
僕は新潟市ジュニア邦楽合奏団の指導者をしています。
合奏団なんですね。
邦楽合奏。
多くの場合は、箏2パート、17絃、三味線2パート、尺八2パート、打楽器などの編成で、10人以上で合奏するスタイルなんですね。
これができない。
じゃあ、合奏じゃなくて、個別の練習でいいじゃないか。
昔ながらの三曲スタイルでいいじゃないか、独奏でもいい、それこそ本来のものだ。
とか。
そうじゃないんですね。
新潟市ジュニア邦楽合奏団は、邦楽合奏を軸にして活動しているからなんです。
それが目当てで、子どもたちが集まっているんです。
合奏をして音楽を作る、ことで和楽器の、音楽の楽しさを楽しさをしった子どもたちが日々一生懸命練習しています。
3月から練習がずーっと中止になっています。
再開のめどが立っても、中止、中止、となり、現在も休止中です。
6月からの再開が予定されていますが、子どもたちに何かがあっては大変なので、充分に安全な状態を確保して再開になることを願っています。
そうなると、やはり、合奏は、密、だよね。
和楽器で、みんなで、合奏するの、子どもたちはめっちゃ楽しく取り組んでいます。
合奏するからこそ、箏や三味線や尺八を好きになってくれていると思っています。
新潟市ジュニア邦楽合奏団のために作曲された曲もたくさんあります。
川崎絵都夫先生に書いてもらています。
もちろん、僕も数曲書いています。
子どものための、初級の合奏から、大人でも弾きごたえのある上級曲まで、充実したラインナップで曲があります。
ジュニア邦楽合奏団、というと、子どもがかわいらしく、和楽器を、というイメージが先行するかと思いますが、その次元ははるかに超えています。
実際に演奏を聴いていただかないと、想像もつかないものだと思います。
団としての成長の過程の中で、子どもたちの熱量は大きく変わってきています。
ぼくは、いろいろなことを子どもたちに伝えてきました。
「和楽器で、ジュニア邦楽合奏団で、青春したっていいんだよ!」
「子どももおとなも関係なく、アマチュアの邦楽合奏団の中で、一番になるのを目標にするよ!」
とか、叫んだことがあります。
運営している事務局の熱量もすごいですし、講師をさせてもらっている僕も必死になって取り組んでいます。
子どもたちってすごいですよね。
それに、応えてくれるのですから。
そんな中、この状況になりました。
春に予定されていた、スプリングコンサートは、中止になりました。
夏に予定されている定期演奏会、これはなんとか形にしたい。開催したい。
それは、今年で卒業する団員がいる。
今年で終わり、という団員がいるんです。
卒団するという特別なステージには特別な思いがあります。
なんとかして、楽器に打ち込んだ青春を、思いを舞台の上で発散させてあげたいと思っています。
めちゃくちゃ、悔しいです。
めちゃくちゃ、残念です。
団員たちよりも先に泣いてしまいそうです。
この状況。
コツコツと積み上げてきたものに急ブレーキがかかってしまった。
仕方ない、で済ませない。
とても複雑な心でいます。
もしかすると、団員のだれよりも、むぎゃーーーーってなっていると思う。
自分の演奏やコンサートがキャンセルになることよりも、悔しい、複雑な、もやもやとした心境です。
練習が再開されて、子どもたちと久しぶりに会ったら、再開したのがうれしくて、泣いてしまうかもしれません。
がんばってきたものが、できないということになると、すべてが、自分自身が否定されてしまったような気持ちになってしまう。
僕だってそう思ってしまいそうで危うい。
でも、そんなことじゃなくて、決して、すべてが、自分自身が否定されたわけではないんだ、と考えないといけない。
新しい生活様式で過ごし続けることになるのか、ワクチンの開発や集団免疫の獲得により2、3年後には、さらに新しい生活様式が生まれれば、合奏、を気兼ねなくできるようになるのだろか。
今年の新潟市ジュニア邦楽合奏団の定期演奏会がどのようなものになっても、
今年卒団する団員にとって、誇れるものにしたいし、先輩の姿を見る後輩たちにも、しっかりとバトンをつなげたいと思う。
合奏が気兼ねなくできる日が来るように願いを込めて、ジュニア邦楽合奏団のために新しい合奏曲を書きます。
決めました。
え、まだ出来てない!
っていうくらいのタイミングで、さらに新しい生活様式に移行できる、合奏、というものが安全にできる日がきたらそれはそれで大歓迎です。
よし、今年の定期演奏会も、いいものになるように、がんばるぞ。
では、ごきげんよう。
※今日のごはん写真
おうちでたこ焼きしました。ソースかけました。
インターハイの中止、甲子園の中止、その時、その瞬間しか、発揮できない目標がどんどん中止になっています。
僕にとっては、新潟市ジュニア邦楽合奏団の定期演奏会も同じような意味があると思っています。
今は、今しかない。取り戻すこともやり直すこともできないから、一度しかないその機会に完全燃焼をさせてあげたい。
大切なもの、その価値は、共感できないことだってあると思う。
なぜ、卒業式やった、なぜ入学式やった、なぜ、なぜ、そういった声もちょっと前にはありました。
一回しかないんだよね。その時しか。
命と天秤にかけさせるのは、えげつないよ。
やらないのは賢い、正しい。正しすぎるから、中止の判断をしても気持ちがもやもやする。
今しか出せない音、今だから出せる音、それは大人の演奏にだって負けない音楽ができる。
僕は講師として、やるだけのことをやります。精一杯。
最高の定期演奏会にしよう。みんなよろしくね。
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