昨日のブログから続いています。
先に読んでいただいた方が、理解しやすいと思います。
お時間のあるときにぜひお読みいただけるとうれしいです。
そして、今日の話は、もしかすると嫌な気持ちになる人もいるかもしれません。
結構、きつめの言葉を使うと思います。
でも、ハッと気がつく人もいるかもしれないし、まよっていること、なやんでいることが一気に晴れる人もいるかもしれません。
まず、僕のことを嫌いな人は読まない方がいいです。
ま、そんなひとはここには来ていないとおもいますが。
みなさま、いつもご覧いただきありがとうございます。
さて、和楽器の印象、ということで話しております。
和楽器に期待される物が、枠の中に納めようとされていることをどう思うか。につながります。
そして、演奏者、表現者は何を提供するのが良いのか、ということを問いました。
期待される印象があるのなら、それを提供すれば良い。
これがとても、まっとうな答えのように思えます。
和楽器に和風を求められるのなら、和風を。
和楽器に着物を求められるのなら、着物を。
和楽器に古き日本のイメージを求められるのなら、それを。
尺八にかすれた音を求められるなら、かすれた音を。
という感じですよね。
そうすれば、世間の要求に応えていますし、受け入れられていると思います。
でも、それって、広がりますか?
世間の印象は和楽器の存在をどんどん狭めてゆく流れです。
けっして、世間が、一般が、大衆が、広げるという受け止め方をしていきません。
つまり、和楽器でこのやり方をするのは、和楽器に関わる者達が、大衆の流れに任せて、縮小、狭めるを積極的に進めている行為だと正直思います。
もちろん、だからやるな、といっているわけではないです。
需要にだけ応えているだけでいいのか、その需要をふくらませる可能性ってあるのか、を考えなければいけないと言うことです。
しかし、そこで増えた需要というのは、楽器としては制限のある需要なんです。
和楽器は○○である、という制限を促進させてもいるわけです。
僕としては、諸刃の剣である気がします。
そして、もっと嫌な言い方をします。
和楽器に求められていることをやる、っていうの、まさに大衆迎合じゃないですか?
和楽器でポップスを演奏することをよく「大衆迎合」と非難する人達がいます。
和楽器でポップスをすることは、実は全然求められていないのです。
せいぜいでも、和楽器は和風の音楽を演奏するもの、という認識です。
だらか、全く大衆迎合とか言われる筋合いないんですよ。
だれかに言うことも意味がないんです。
僕は、職業として演奏をしています。
なので、和風の演奏、着物での演奏を商品として演奏を求められるときは、クライアントの意思にしたいがいます。
それが仕事して演奏することです。
一応、それを多くは求めている、というねらいのもとによる発注ですから。
でも、僕は自分から積極的にはしません。
求められるところに、予想されるところに、求められる、予想されるものをやっても、対象は広がらないし、細っていくだけだと思うからです。
大きな印象の変化や化学反応はおきないからです。
勘違いしている方が多いと思いますが、大衆迎合は拡大ではないです。
確実に縮小です。
予想の範囲をこえられるものではないからです。
そこに、衝撃や、新鮮な感動は生まれないと僕は考えています。
裏切りがないんです。
ま、そんなもんだろ、
ま、こんなもんだろ、
という予測を超えてこそのクリエイターだと思います。
ポップスのカバーや、有名な曲をカバーすると、それを聴いた人の反応の中で、
「和風の曲だから和楽器があう。」
という言葉が出ます。
これについて、いろいろ考えるんですよね。
本当に和楽器に合う演奏をしたら、こういう反応がおこるだろうかと。
そもそも、和風の曲、というものって正直ないと思っています。
すべて、洋楽の言葉で説明がついてしまうので。
たとえ、日本音楽の理論だったり、手法がつかわれていても。
そこには音楽があるだけです。
でね、特にYouTubeなどで動画を公開している方だったらなおさらですが、
和風の曲だから、ウケた。反応があった。って思わない方が良いです。
もともとの曲の力はもちろんですが、
絶対に演奏したご本人の力です。
そこから生まれたエネルギーを受け取った人が、納得するために使った言葉が、「和楽器は和風に合う。」とか「和風の曲だから和楽器がぴったりだ!」という言葉です。
こういって、納得しているんです。
思いもしないことなので、納得するために、自分を言い聞かせるために使っている言葉なんです。
だって、これまで興味がなかったり、もしかしたら拒否、否定していたかもしれないものを受け入れることになるわけですから、怖いですよ。
何らかの理由がないと、そんな気持ちになった自分を納得させられないでしょう。
また、そういった気持ちになった自分が攻撃される、異端視されるんじゃないかという心配だっておきます。
なので、この言葉を言っておけば、同調圧力に自分が攻撃される可能性がある程度軽減されると考えているからです。
先日のブログで、こんなことを書きました。
和楽器は→
・和風の曲を演奏する物
・演歌を演奏する物
・日本の曲を演奏する物
・古い曲を演奏する物
・よくわからない曲を演奏する物
・音楽ができない物
どんな風に捉えられているか。です。
これは、和楽器にすこしでも、わずかでも、知っている、興味がある人がどう思っているか、という問題なんです。
実は。
この外側に、一番大きな勢力として、「和楽器に興味がない人」っていう存在があるのを忘れてはいけないのです。
和楽器に興味がない人をどこのゾーンに引き込むのが良いのか。
失敗したら音楽ができない物に引き込むことになり、またすぐに、外側「興味のがない人」のゾーンに離脱してしまいます。
なんにせよ、新規の獲得は「興味がない人」を引き込むことですし、それと合わせて興味がある人を、いかに離脱させないか、ということです。
和楽器がもともと好きな人は、なかなか自分が生息しているカテゴライズから移動しにくいです。
つまり、ポジティブなカテゴリにいる人は動きにくいし離脱しにくいです、いわゆる愛好家です。
ネガティブなカテゴリにいる人は動く可能性もあり、離脱しやすい。
もっともネガティブなカテゴリ「興味のない人」はもっとも動きにくく、すでに離脱しています。
それぞれの印象、それぞれの期待に応える、演奏者が必要なんですね。
カテゴリにあった演奏や音楽を提供しないと、
引き込むこともできないし、
興味を強化することもできないし、
離脱する人を増やすだけになることすらあります。
業界にいる人は、自分はどこに向けて演奏をするとよい効果が出るか、を考えることを忘れない方がいいです。
だからこそ、それぞれが抱えている印象じゃないものを実現している演奏者を否定したり、比べたりする必要なんて一切ないんですよ。
僕は今回、大衆迎合、という言葉で非難する人に、あなたの活動も迎合だよ。という理解してもらえたらと思って書いた文章があります。
非難したり、否定しているわけではないんです。
わかりやすくいうと、
あなたの応援している演奏家が、あなたの期待に応えるような段階で、あなたに迎合しているんです。
あなたは、大衆です。
もし、あなた自身のことを特別な存在だおもっているのなら、応援している演奏家に対して特別な金銭的な応援をしっかりしてあげて下さい。
そうでない限り、大衆の一人なんです。
そのカテゴリにいるひとを満足させる演奏を提供されているだけです。
そして、あなたの気にくわない演奏をしている演奏家を、大衆迎合と揶揄することはもう矛盾しています。
そして、もう一つ。これは、プレーヤーに対して。
これは僕自身に対しても、改めて向き合う問題だと思っても書きます。
演奏家は商品を作るだけだと、狭めるだけだなって思うといいかなと思います。
じゃあ何をするかというと、作品を作る、ことです。
需要が予想されるところ、確定されるとところにむけての商品では、外側にいる「興味のない人」に届きません。
興味を持つきっかけを生む可能性は、「和楽器を楽器として演奏できたとき」だと思います。
それが、古典でも、新しい作品でも、オリジナルでも、ポップスでも、アニソンでも。
現代の人たちに響く作品になったときに、聴衆の心は震えるはずです。
すんごく簡単にまとめると。
期待に応える商品、
自分のこだわりを貫く作品、
どちらでも結果、つまり、売れなければ、なにも語れません。
見方が違う、価値感が違えば、
僕にとっての、期待に応える商品が、こだわりの作品に見える人もいる
僕にとっての、こだわりの作品が、期待に応える商品に見える人もいる。
ということです。
需要のないところで演奏して、需要が生まれたときこそ、僕は使命を果たせたと思います。
では、ごきげんよう。
※今日のごはん写真
ちょっと、わかりにくい話かもしれません。
またもっとわかりやすく考えがまとまったら、同じようなテーマで書くかもしれません。
すんごく雑に言うと、「和楽器でお正月に着物を着て春の海を演奏する」だけでは、興味のない人の心は動かない。ってことです。
中に向けて、もう、興味がある人、知っている人が、予想の範囲の中のリアクションをするだけなんです。
これが伝わると、本文がもう少し理解しやすいかもしれません。
すみません、もう一回読み直して下さい。。。
今日は、自分がもっと頑張るために、自分に言い聞かせるために書いた部分もあります。
作品を作る。
生きるために商品を作ることも大事なのですが、それに追われてしまって、もっと大切なこと忘れてしまわないように。
その作品が多くの人にとどいて、商品になっていくならなおさらうれしい。
もっとがんばれ。僕。
ま、急には無理だから、少しずつかな。
たまにね、ウケのよい商品を作ることを簡単なことのように言う人がいます。
じゃあ、さっさとやってくれよって思います。
必死でやってんだよ。こっちは。
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