最近、柿を食べてます。
というのも、藤崎さんが柿を事務所に持ってくるからなのですが。
藤崎さんの家には柿の木があるらしくて。
「柿がたくさん採れたからもってきた。」
と、レッスンに来る生徒さんにもお土産で持って帰ってもらっています。
小さなビニール袋一杯に柿を詰めて持って帰ってもらっています。
え、それって、なかなか、すごい数なんじゃないって思いますよね。
そうなんです。
実際に、物凄い数なんですよ。
どれくらいとれたんですか?って聞いたら、
「500個近く」
って。
「業者か!」
って思わず突っ込んでしまいましたよ。
それを全部もいで、渋抜きをしてって、、、、ほんとに業者レベルの一日を過ごしたんじゃないかと思います。
柿、というとどんな柿を想像されましたか?
新潟で一般的なのは、種がなく平たい渋柿です。
詳しい名前などは全然知りませんが。
ちょっとググったら、おけさ柿とか、八珍柿とか、いうらしいです。
渋柿ですから、渋抜きをしないといけません。
一個一個のへたに焼酎をピッと塗って、密封して1週間くらいで渋がぬけて、甘くなります。
しゃきっとした状態で食べても美味しいですし、柔らかくゼリーみたいに熟したのを食べるのも最高です。
よくぞ、まあ、渋を抜く、という方法を考えたなと思います。
偶然、なのか、なんなのか、わかりませんが、その木になった果実を普通に食べようとしたら、全然美味しくない。
でも、なんとかして、試行錯誤したら、美味しく食べることが出来るようになった。
いや、すごいことだと思います。
桃栗三年柿八年、とかいって柿は種をまいてから実がなるまでに八年かかると。
その間は実はつかないわけです。
で、ようやく育った果実も、そのままだと美味しく食べることが出来ない。
どうしたらいいものかと、工夫することで、美味しく食べることが出来る物にようやくなると。
木が育った後、そして、その工夫の方法がわかった後は、500個も実ができるわけで。
商品として届くには、果実そのものがつかない時期を経て、果実がなっても一手間が必要。
そして、そのままでも良い時代もあったけど、ジャムにしたり、デザートにしたり、何かしらのさらなる工夫が必要になってきます。
商品にする、って本当に大変です。
でも、藤崎さんの家でとれた柿は、商品というわけではなく。
生徒さんに配っていますし、僕ももらっています。
そのうち、食べ飽きた、なんて偉そうに言うかもしれません。
不思議な物です。
尺八にも、桃栗三年柿八年をなぞらえて、「首振り三年、コロ八年」とかいって、身につけるのに時間がかかるっていう言葉があります。
でも、僕はそんなに時間がかかるとは思いません。
難しい、音が出ない、指導力不足、そんな状態を緩く認めてしまう優しさの言葉だと思います。
改善、改良をしない業界を許すような、足を引っ張る言葉だと思います。
(話がぶれるので、ここまでにしておきます。。。)
とはいえ、そこまで時間がかからずとも「果実がならない時期」というのはあると僕は思います。
木が育つまでは一切、実はつかない。
育った後は、毎年、実をつけて(その年にもよるかもしれませんが)くれます。
実がつかない時期に、実がつかないことはわかっていますよね。
実をつけるための準備をする。
実をつける木になる成長をする。
根をはること、幹を太くすること。
実がついても、その実は、そのままでは食べられない。
ならば、どうするか。
それでも、商品になりにくい時期があったら、どうするか。
ジャムにしたり、お菓子にしたり、素材を生かした別の商品にする。
それが、商品を売ることだし、商売。
自然の中にある、果実をみると、当たり前に思える出来事なのに、自分が行う行動になると、当たり前を平気でねじ曲げようとします。
果実は、音、かもしれません。
果実は、音楽、かもしれません。
そのとき、そのときに、必要な成長、商品になるための過程、商品になったと思ってもその先への工夫。
ああ、めっちゃ大事だなと思いました。
尺八を吹き始めた、初心者の方へのメッセージをなんとなく書くと、
木が育てば、音が出ることに悩むことはありませんよ。
何が育てばいいでしょう?
果実をつけること、に夢中になる前に、何が育つかを考える。
柿の木だと、根がはること、幹が太くなること、枝が茂ること。
簡単に考えただけでも、要素はそれくらいあります。
尺八の音を出すには、どんな要素が必要か置き換えてみましょう。
木が育たないうちに、実がなることを期待しているのは、何か違うな、思えたなら、何をするべきかに気がつくはずです。
きっとこれから尺八の上達が効率良くなっていくとおもいますよ。
では、ごきげんよう。
※今日のごはん写真
ブログに柿の話を書いても良いかと、藤崎さんに確認したときに、
500個だっけ?ときいたら、600個です。という答えでさらに多かったです。
とりあえず、本文は500個にしたままですが、600個も1つの木からとれるんですね。
種から育てなくても、挿し木だと短い期間で果実ができるようになると。
そういったことも、なるほどな、と思います。
種から育てる努力が美しいのか、挿し木、品種改良、商品として売る、広げるにはどうしたら良いのか。
もうここにも参考にしたり、学ぶ例があるんですね。
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