管楽器吹奏時の声帯の話をしております。
昨日の記事からつながっておりますので、興味のある方は昨日の記事もお読みください。
管楽器の吹奏時の声帯の状態の違いで、音色の違いがあるということが研究によってわかっています。
その研究では、上級者は声帯が狭く閉じる傾向で演奏しており、初心者は声帯が開いた状態で演奏している、というデータが取れました。
この結果を受けて、どんな反応が起こるか。
よっしゃ、じゃあ、声帯に意識して練習しよう。
声帯をコントロールするようにして練習しよう。
こんな風に思った方、落ち着いて考えてみてください。
データをとったからわかったことです。
データをとる前の上級者の人たちは「声帯を先に」「意識して」演奏をしていたでしょうか?って話です。
これって、結果に過ぎないのです。
わかった、ってだけなんですね。
じゃあ、声帯は無関係なのかよ!って言われそうですが、そうは言っていません。
音色の違い、安定した音の違い、というものは、声帯に由来する、と説明することができるし、納得できます。
僕も声帯がポイントだと思ってえんそうしています。
ですが、僕は、声帯を「コントロールして」とか、「意識して」とか、「操作して」とかは一切考えていません。
声帯の動きは、追随するものだからです。
反応するもの、呼応するもの、べつの動作によって引き起こされるものだからです。
尺八を吹く、という動作で、声帯が反応するようになっていれば、意識する必要はないのです。
そもそも、演奏中に意識して、何かをする、改善する。ということが、かなり難しく、ストレスのかかる行為なんです。
意識しても修正できないのが、普通。
だって、そうなっちゃうから。
そうなっちゃうモード、動作、で行っているからです。
このあたりも、僕のブログをよく読んでいらっしゃる方には、当たり前になりつつある思考モードだと思います。
たとえ話をします。
いつも夜更かしをして、睡眠時間が2,3時間しかない人が、意識して寝坊しないようにと思っても、寝坊します。
何回かは、成功しても、寝坊します。
意識しても、無理なんです。
じゃあどうするか、
夜更かしをしない、という行動をするしかないんです。
そもそも、そうなりやすい、そういう傾向が発生するものを意識して何とかするってのは、困難なんです。
だって、そうなっちゃいやすいですから。
意識して何とかするのは、無理してやる、ってことです。
ちょっとポイント。
無理しないでもできる状態にある。できるやり方をしているならば、スイッチのポイントがわかるから、意識するってのは有用です。
多くの場合は、その状態が安定していないからですね。
無理しないで出来る状態が安定するように練習するってのが、反復練習のポイントです。
でも、
いつもできる状態にない、できるやり方をしていないのに、不自然に何かを意識して、反発するような動作を意識するってのはイバラです。
茨の道ってやつです。
時間も苦労も、しんどさも伴います。
それで手に入るのは、唯一無二の音色だったらいいのですが、無理なく自然に吹いている人より劣る音色だったら悲しすぎますよ。
さてさて、
意識してなんとかしない、ってお話、尺八演奏の動作でも他に説明したの覚えていますか?
個別事例では舌のお話。
この二つの記事を読んでいただくだけでも、かなり理解が進むと思います。
お時間のある時にぜひ読んでください。
そして、この中で、意識しなくても、理想状態に近づく方法も説明しています。
だから、僕にしてみると、
「声帯を閉じて、そこから隙間を少し開けて吹けるように意識してトレーニングしている。」
というような発想は、すげーな。としか思えないんです。
難しいことしてるなって。
だって、そんな風に意識して動くものじゃないから。
大変だから、やめた方がいいよ。って。
もしくは、
もう、きっと声帯の問題はクリアしていると思うよ。って。
意識して何とかするんじゃなくて、
すべての動作が、連動して、反応して起こる、っての楽じゃないですか?
上手な人の吹奏状態、理想的な状態は、もうすでに何となくわかっています。
その結果を無理やり引き起こす、
勘違いして実践する、
ということが非効率であることを理解しましょう。
例えば、喉を開くに関する勘違いも書きました。
喉を開く、という言葉で、ひとそれぞれの理解で違う行動をとってしまいます。
目的は、口の中を広くすることです。
いわゆる喉、というイメージでも、のどぼとけから上、声帯から上の部分を広くする、という考えです。
ちょっと、違う考え方は、
「肺から出る息を、一気に送り出すパイプのような状態を作る」というのは違います。
これ違います。
いいですか、大事なことですから、二回言います。
喉を開くのは、口の中を広くすること、喉仏から上、の部分を広げるということです。
息を送り出すことが目的ではないです。
あえて言うなら、音の響きを作るようなイメージです。
話がそれました。
そして、長くなってしまいました。
今日は、ここまでにしたいと思います。
まとめると、
理想状態に自然となる動作があるよ。
理想状態に自然とならない動作でなんとかしてなんとかしようってのはつらいよ。
ということです。
明日は、じゃあどうしたらいいいんんん!!!ってことを書きます。
では、ごきげんよう。
※今日のごはん写真
尺八を吹くための動作はいろいろな言葉に置き換えられています。
なんだか、謎めいていていいいですよね。
それがびしっとはまって、上達する人もいると思います。
しかし、はまらない人もいるんです。
じゃあ、その言葉は、クリティカルではないんですよ。
・違いが分かりにくい
・差のある動作をとっていても勘違いできてしまう
・受け取り方で個人差のある動作になってしまう
を避けるようにして、どうしていったらいいかを真剣に悩み考えなければいけません。
現時点で、僕はクリティカルな説明、言葉を使えているとは思えません。
いつも、悩んでいて、可能な限り、改善しようと考え続けています。
これでキマリ、まちがいなし、といい続けている人は、信頼がおけるでしょうか?
成果が出ない場合は、あなたの練習不足だと責任を丸投げされてしまいます。
一方通行の情報では、間違って受け止めて違う動作をしていることを修正できません。
状態を見たうえで、もしかすると、自分がやりたい、やろうとしているのとは違う、いやそうじゃない、というアドバイスをされることがあるかと思います。
そう、それが大事です。
あなたのやりたいやり方は、違っているかもしれないんです。
やりたいやり方をやって音が出ないと、音色が悪いと嘆くのではなく、気持ちよく音の出る、良い音色が出るやり方をやるんです。
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