タンギング。
尺八ではやらないと言われる奏法です。
なので、やってはいけない。と思っている人もいるのではないでしょうか。
僕は、
やってはいけない
ではなく、
やる
と
やらない
の選択肢だと僕思っています。
そして、
やらない。
と
やれない。
は、意味合いがさらに違ってきます。
やってはいけない、やらない技法なだけに、ちゃんとしたやり方が身についている人は少ないと思います。
また、どうしたらいいかをハッキリと理解して使っている人も少ないでしょう。
なんとなく使っている、
それっぽいことをしているだけ、
といった状態の方も多いのではないでしょうか。
そして、これは、そもそもの「尺八を吹く」というアクションが、安定しているかどうかにもつながると僕は思っています。
タンギング、どんな風に吹いていますか?
普段の音色と変わりなく使えているか?
普通に吹いているには自分でも納得のいく音色が出ているのに、タンギングをすると、とたんに音色が悪くなる方はいませんか?
・音がにぶい
・キレが悪い
・雑音がむごい
といったことがおきていませんか?
こういったことがおこるから、
尺八はタンギングに向いていない。
やらなくていい。
と考えてしまう人もいるかと思います。
はい、ここで僕がよく言う言葉です。
やり方が違うんです。
おそらく、考えていることが違います。
そして、これは、タンギングでなく、普通に発音するときにも、音が鈍い人、いい音が出ない、スムーズさに欠ける音が出てしまう人も共通する問題点をかかえているのです。
尺八を吹くときのイメージをどうしているか
結論から言います。
あまり良くないイメージは、
唇から空気の弾が、ぷっ、ぷっ、っと飛ぶイメージ
これです。
先週くらいのブログで書いていた、「尺八を吹く動作」と同じになる動作として紹介した「ろうそくの火を消す」「ゴミを飛ばす」の動作を思い出してください。
これらの動作の時に「ぷっ」っていいますか?
「ぷっ」となるときは、唇が閉じてからスタートしなければいけなくて、そうはなっていませんよね。
「ふっ」であって、唇は開いているところから、閉じる動作であり、上下の唇がくっつくことはなく、息の束がズドンとでます。
これは、弾を飛ばす感じではないと思います。
普段は、弾を飛ばすイメージになっていないのに、タンギングになると急に空気の弾を飛ばすようなイメージになってしまう。
これが、いまいち上手くないタンギングの多くの原因です。
息を押し出すように考えているとこうなってしまいます。
タンギングなのに「ぷっ」と唇までも連動してしまう人もいます。
唇が息の運動を邪魔してしまいます。
あくまでもベロのアクションです。
そして、タンギングという奏法への誤解もあります。
音を短くする、連続音を出す、発音のタイミングを作る、音をくぎる、いろいろあります。
うまくいかない人ほど、限定した動作、結果をイメージしています。
そして、ベロが音になる息の流れを邪魔するようでは、元も子もありません。
なんとなく出来ている感じになるタンギング
見出しの通りで、なんとなく出来てしまうんですね。
そして、これがタンギングか、と思うわけです。
また、「尺八では御法度」などと言う人もいるので「正しい手段」を聴くに聴けない。
聴いたとしても明確に説明出来る人もそう多くないでしょう。
そして、こう思うんです。
「もともと、やる必要のないものだから、出来なくてもいい。」
これは、いけません。
出来ないのと、やらない、のは違います。
そして、
やらない方がいい
のに、
やってしまう
これは、もっともっと違います。
コントロールして使いこなしてこその技術です。
やる、やらないを最適な形でチョイスできてこその技術です。
練習して損はないです。
教えてもらって損はないです。
長くなりそうなので、ここまでにしておきます。
また明日もタンギングの話をかきます!
ではごきげんよう。
※今日のごはん写真
楽譜にスタッカートが書いてあるとタンギングをする。
と、思っている人もいるのではないでしょうか?
スタッカート=タンギングと思っているとしたら、ブーです。
違いますからね。
使うときもあります。使わないときもあります。
つまり、スタッカートをする方法は、いろいろあるわけです。
さて、スタッカート、これどんな意味でしょう?
意外と正確に説明出来る人、いないんじゃないでしょうか。。。
正解は、このブログの一番下に書いておきます。
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★スタッカートの意味
その音符が持つ本来の音価より短くする。
音の長さが短くなる、ということなのですが、どれくらい短くする、と考えますか?
明確に答えられなければ、演奏に上手く反映できません。
なので、音価を半分にする記号だと思ってください。
四分音符にスタッカートがついていたら、八分音符+八分休符になります。
重要なのが休符です。
つまり、無音の部分が生まれなければいけないのです。
スタッカートを、はねるように、はずむように、と説明するのはちょっと違いますね。
音価が半分になり、無音部分が生まれる結果、どのように聞えるかということになりますので。
楽譜の記載も楽になります。
八分音符+八分休符で書くよりも、四分音符にスタッカート記号をつけるだけです。
圧倒的に楽です。
なので、僕はスタッカートを記譜する上での省略記号くらいに思っています。