「リコ八」という尺八の歌口補助のシステムのお話をしています。
興味がわいたら、お時間のあるときに前回の記事から読んでみてください。
リコ八は、その特徴を「尺八にウィンドウェイ(息の通り道)をつけて音を出やすくする。」しかも「メリカリができる構造になっている」と単純にまとめられると思います。
・なんだ、初心者向けの話か、、、
・補助具なんか意味がない、必要がない。
と思われた方でも、ご自身が尺八を吹くときのヒント、問題解決が見えてくるような話も書きます。
その構造やねらいから、尺八を吹くためには、どんな意味を持っているか、何を実感できるか、まで考えていきます。
僕自身、補助具なんか必要ない。補助具なしで音が出るようにするためにどうしたらいいか、どう伝えたらいいかを悩んでいるんだ!と思っています。
でも、その僕が、リコ八のデザイン、ねらいをみて、ワクワクしました。
補助具を外して尺八を吹くときに必要な要素を、補助具から学べること、実感できること、通じることがあるからです。
ウィンドウェイのついている状態です。
音が出るポイントを中心に楽器との関係性ができあがる。
まずこれです。
「あご当たりをあごのくぼみに当てる」という不合理な考え方を辞めるきっかけになります。
このブログを熱心に読んでくださっているかたにしてみたら、おなじみかも知れませんが。
あご当たりに何か恨みでもあるの?というくらいに「あご当たりをあごのくぼみにあてる」と言う説明がきらいです。
もう大嫌いです。
それが上達を妨げています。
それが圧倒的に音が出ない原因を作っています。
まず、リコ八では、ウィンドウェイを咥えることになるので、あご当たりがうんたら、という説明がゼロです。
音の出る場所が、そこであること、
そこに、息が向かっていくこと、
それらが、音が出るために必要なことだとその形状を見てもわかります。
咥えて吹くことによって、あご当たりの当て心地が良かろうがわるかろうが、その位置が音が出る当て方なんだなと、感じるわけです。
ウィンドウェイを外しても、同じ状況をつくらないと音がでないな、となんとなく理解出来るわけです。
ウィンドウェイがある「リコ八」によって僕が、おお!とおもったこと
尺八の音を出すときには、開口部分を下唇でしっかりと塞ぐことがとても大事だと考えています。
初心者の方だと、楽器をふわっとしか当てない人もいます。
唇が遠くて効率が悪い状態で吹いてしまう人もいます。
それらを解消したいので、下唇でしっかりと塞ぎ、しっかりと当てること、を大事にしてくださいと言っています。
初心者の方は、本当にこれがポイントで、下唇をしっかりとつけて、開口部分を塞ぐことが、大きなポイントになります。
でもですね、、、
ウィンドウェイがついている場合、隙間があっても音が出るわけです。
ちょっと写真で解説します。
この写真はウィンドウェイを咥えて、しっかりと開口部と下唇を当てている状態です。
これは、僕が普段吹いている状態に近く楽器を当てていますし、唇の閉じ方も同じようにしています。
白い部分がリコ八のウィンドウェイです。
でも、これって尺八吹く人だから、こんな感じになるんじゃないかなって思います。
で、開口部分をしっかりと塞がないで、ウィンドウェイを咥えただけの状態がこちらです。
はい、こんな風に閉じてなくても音が出るんです。
下唇で開口部を塞がなくても音が出るんです。
きれいに音が出ます。
安定してでます。
じゃあ、ウィンドウェイを外してもできるかということで、やってみました。
ほんとギリギリ、触るか、触らないかぐらいの距離です。
出ちゃうんです。
めちゃくちゃシビアですが、音が出ます。
でも安定しません。
一瞬ちょろっとなるかな、って感じです。
ウィンドウェイがある場合は、安定して音が出ます。
その理由は、ウィンドウェイがあるからですね。
距離、舌面にむかって流れる息、それが実現出来るからですね。
ということは、塞ぐこと、が目的ではないんですね。
しっかり塞ぐことによって、ウィンドウェイのように、下唇の位置を安定させることが目的なんです。
しっかり塞ぐことが、下唇の安定につながる。
それが、音の安定につながります。
下唇が音のでる距離に安定してあることが大きなポイントになります。
少し長くなったので、今日はここまでにします。
次回は、メリカリが出来る補助具、アダプターであるそのポイントからお話をします。
ではごきげんよう。
※今日のごはん写真
ウィンドウェイを外して尺八を吹けるようになるためには、ウィンドウェイの咥え方も気をつけるといいですね。
唇を巻いて咥えたり、とがらせて咥えたり、横に引いて咥えたりしない方がいいですね。
下唇と上唇で挟む。
粘膜の部分で上下からしっかり挟む感覚で咥えるといいと思います。
そのときに使っている筋肉が、息で吹くときも大事になります。
尺八を吹くときに考えることと同じです。
「息の流れを上唇と下唇で挟む。タッチする。」
ウィンドウェイを息の流れだと思って咥えること、軽く咥えるだけでなく、唇の弾力でさらにぐっと強く閉じるようにすること。
試して見るといいですね。
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