音程で悩む人、まずは何を考えたらいいでしょう。

問題解決のマインドセットの話をしています。

 

達成したい目的のための手段、

手段を実行するだけでは、目的は達成できない。

こちらのブログで書きました。

体の動かし方を正確に。思ったようにコントロールしている人の方が少ない。

 

目的を意識するから、手段が正確に実行されているか、手応えが得られる。

そして、目的、とうものをはっきりさせるのは、

 

達成したい目的が起こる理由、原理を理解していること

 

そんな話。

 

アドバイス、ヒントにばかり、意識が行くと、なんのために、どうして行っているかわからない状態に入ってしまう場合があります。

 

何のために、どうして、をしっているといないでは、その目的が達成できる動作につながらなくなってしまう場合があるからです。

そういった話をこちらのブログで書きました。

手段を実行するだけでは意味がなくて、目的を達成できているかが大事。そしてそれを支えるもの。

 

抽象的な問題から、いろいろなことに応用できるマインドセットを身に着けられるといいなと、僕は思っています。

なので、具体的な話を避けようかと思いました。

でも、迷信や勘違いの知識がまだまだはびこっている尺八界です。
勤勉な方は、もう知識は刷新されていると思いますが、念のため、ということで、勘違い、思い込みを払拭するためにも今日は具体例を紹介します。

 

音程で悩む人。メリカリで悩む人。

これもよくあるテーマなので、具体的な例として書きます。

手段を考えるだけではなく、その手段はどうして導き出されたものなのか。

どういう理由で、その現象が起こるか、ということを理解しているから、手段が導き出されました。
アドバイスやヒントが生まれました。

なので、理由の理解で間違っていたら、できない理由はそこにあるかもしれないのです。

手段、アドバイス、ヒントの実行が有効になされていないということです。

 

まずは、平均的に性能が保証されている楽器であることを前提とします。

例えば、プラスチック尺八「悠」
これで、音程が変、メリカリができない、と悩む場合は、何か改善点があると思ってください。

また、制作歴がしっかりしている製管師が作った尺八においても同じです。

音程がおかしいからと言って気軽に楽器の修正を言うのはいったん待ちましょう。
ご自身の改善点があるかもしれません。

 

音程に関して

音程が変化する理由は何でしょうか?

・指孔の操作

・歌口開口部の面積の変化

・息の強さ

このあたりでしょう。

高校物理のお話になると思うのですが、指孔の操作によって、気柱の長さが変化します。
で、この気柱の長さにはそれぞれに固有振動数が存在します。

それで、音程が決まるわけですね。

音程に、一番影響を与えるのは、指孔の操作です。

つまり、孔の開け閉めです。
ちょっと開けるとか、もうちょっと開けるとか、そういった変化です。

これが一番、音程に影響を与えます。

これ、これを間違えないでくださいね。

 

歌口開口部の面積の変化です。

これは、原理の説明が僕はできません。
もう無理です。

でも現象としてわかる方法があります。

たとえば、レの指使いで尺八を持ちます。
4孔をポンポンと叩いてください。

そのポンポンとなっている音は、レに近い音程だと思います。

つぎは、尺八の歌口を全部塞いで見てください。
手でもいいですし、ほっぺたとかにべたっと当てて、でもいいです。

そして、同じようにポンポンと叩くと、さっきより音程が低くなっているはずです。

指孔で作る気柱の長さは、レ、で同じですが、歌口開口部を全部閉じると音程が下がった、つまり固有振動数が変化したわけです。

完全に空いた状態と、完全に閉じた状態、その間の面積の変化があるわけですから、その変化に応じた音程が存在するわけですね。

これによって、歌口開口部の面積変化が気柱の固有振動数に影響を与えていることがわかります。

 

息の強さ、、、これも説明しろといわれたら、ごめんなさい、、、できません。
わかんないです。

「!説明できる人、ぜひ教えてください!」

説明はできませんが、息の強さで音程が上ずったり、下がったりするのは実感として知っています。

でもわずかな影響です。
たぶん僕は、これらの変化をつねにお互いで調整しながら吹いていると思います。

 

さて、わかりません。詳しく説明できません、という悲しい結果になっていますが。

 

大事なのは、指孔の操作、ってのが一番音程に影響を与えるというわけです。

だって、開ければ、音程上がります。
閉じれは、音程下がります。

ここまで大きな音程変化は、他の二つではおきません。

 

 

さて、音程で悩む人は、まずに何を気を付けるといいと思いますか。

 

 

 

 

 

 

 

はい、ここまで長々説明してきましたが、

 

 

 

 

まずは、

 

 

 

 

 

舌面の上に息が

流れている吹き方を

しているかどうか。

 

 

 

です。

 

 

えーーーーーーー

 

 

ってなるかもしれませんが。

まずはそこです。

 

それが基本です。

尺八の構造を利用してでいてる音であることが土台になります。

その土台ができていないのに、うわべだけを見繕っても、その程度の音です。

 

必要以上に音程が下がって聴こえるときは、基本の吹き方を見直してください。
管の内側に息が流れるような吹き方だったら、かなり音程下がります。
これは、僕の実感としてですが、歌口開口部の面積が狭くなる影響を受けやすいみたいです。

まずは、そこを改善する。
息の流れがよくなりますし、力強く吹く、ということに積極的になれます。

変なところに向けて吹いていると、力強く吹くと変な音がでるので、それを避けようとして、変な吹き方、ヒョロヒョロとした吹き方をしてしまうので、後々にもいい影響はありません。

 

 

じゃあ、舌面に沿うように息が流れる吹き方は、何年もかかって身につくものかというと、そうでもないです。

なので、基本、土台をまずは大事にしましょう。

 

 

とはいうものの、、、

土台の見直し、土台を作りこむ、という練習は常にあるものとして、話を進めますね。

 

一番は、指の動きです。

孔の上に指が近いと、音程に影響がでます。

指を中途半端な高さのままにしているとしたら、それは改善しましょう。

 

もしかすると、

最小限の動きで、指を動かしたほうが効率がいい。

という声も聞こえてきそうですね。

 

もっともらしいですが、僕はそのやり方で指が早く動くとはあまり思っていません。
もっと大胆に思いっきり動かすから、早いパッセージで指が動くと思っています。

たとえ、影響があったとして、低い位置でないと演奏できない速度の運指に出会うこと自体ほぼほぼないと思います。

そしてなにより、孔を開ける指の位置が低いのはなぜ?と聞かれて、指が早く動くため、という理由があるにせよ、音程に影響を与えてしまっているとしたら、それは改善することだと思います。

指の位置で、音程をとっているのならば、その低い位置で孔を開けているのには意味があるかもしれませんが、音程が低いことで悩んでいる人は、まずそれを修正しませんか?

 

音程が低くなってしまう原因に直接かかわる問題ですから。

 

なので、

音程に影響のないように指を上げる。

これは音の立ち上がり、音の歯切れの良さなどにも影響を与えます。

 

これは、運指の仕方で違いが出ます。

指が音程に影響が出るような位置にある方の多くは、

指を伸ばして孔を開けている。

これだと、結構音程に影響出ていますね。

 

じゃあ、僕はどうやって孔を開けているかというと、

孔を閉じている状態(軽く曲がった状態です)のまま、

根元から指をうごかして孔を開ける。

という動かし方を実践しています。

 

運指の話になると、もっと細かい話まで出てくるのですが、

軽く曲がったままで甲を閉じている理由も、根元から動かす理由も、これらはすべて、他の動作に連動してくるので理由があります。
理由をしりたい人がおおかったら、また後日ブログで解説します。

 

 

とまあ、かいているとものすごい分量になってしまいました。

 

メリカリの操作、軽く触れます。

メリカリという動作で音程が変わるわけではありません。

メリカリという動作をした結果、歌口開口部の面積が変わります。

それによって、音程が変化するわけです。

ましてや、息の向きが変わるからではないのです。
尺八に対する息の向きが変わったら、そもそも音にならないですよね。

 

ここでも、メリカリの動作が何をしているか、を理解していないと、行っている動作が、どんな結果を出せばいいかがわからないので、具体的な動作に落とし込めません。

そしてなにより、それを細かく操作する筋肉にまで意識が行きません。

 

どうするか、という具体的な目的が設定されていないので、運動する、動作する、ということが学習できないのです。

 

開口部の面積を操作する、と思って、メリカリをしましょう。
そうすると、どういった状態を作る動きをするといいのかがが分かってきます。

それにより、ようやく筋肉の動きに意識がいって、反復練習により動作の記憶ができるようになります。

 

メリ音(琴古)、半音(都山)、といった、指で3/4を塞いで出すような音の場合。

もっとも注意すべきなのは、孔の抑え方です。

メリカリの動作、などで調整しようとしすぎるのは、難しさが増えるだけです。

まずは、孔の抑え方をしっかり見直してみましょう。

 

 

このように、問題の解決は、細分化をして問題を解決します。
問題解決に関係ない要素を増やしません。

土台には何があるか、理由は何か、動作の目的はなにか。

とってもシンプルなことです。
足さないのです。増やさないのです。

分解するだけです。
さかのぼるだけです。

理由は限られています。

 

ということは、結局なにより、土台となる吹き方を常に、向上させる意識が必要です。

土台を作りこんでいくことを忘れないようにしましょう。

 

 

では、ごきげんよう。

 

 

※今日のごはん写真

全体的に低い音程を、カリ、の動作で無理やり上げるのは、お勧めしません。
このブログやYouTubeのワンポイント動画でも何度も言っているます。

まずは、吹くこと、しっかり吹くことで、音程が上がることを目指してください。

効率の良い吹き方ができていないと、頑張っても頑張っても音程が低いままです。
ほんのちょっとの差でも、本人とっては、思いっきりの変化かもしれません。

効率の悪いところで頑張っているのより、効率の良いところで頑張ったほうが得たい結果になります。

思いっきり変化させてみると、するするーーーっと導かれて、効率の良いほうに息がながれだすかもしれません。

最初は、力がきっかけだったり、するかもしれません。でも、これか!とわかると、力はいらなくなります。
それが当たり前になると、力で成立させているわけではないことにも気が付きます。

そしてなにより、音が出る、という土台の理解をしっかりしましょう。
土台となる音は、常に向上してゆく意識をなくさないように練習してください。

 

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